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思わぬところで・・・ [オーレスン 2017 夏]

びろろんとした昔のガラス、好き。

手作りの味わいがある。
不揃いって、悪くないよね。

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7月上旬、夏休みに行ったノルウェーの街、オーレスンでのお話。 2日目の続き。

Jugendstilsenteret ・・・ユーゲントシュティールセンター。 アールヌーヴォー博物館にて。


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薬剤師さん一家の住居エリアへ。 の隣の部屋から玄関ホールに抜けて、そこから螺旋階段を上る。


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2階の展示室。 ここでもフランスの画家ロートレックと遭遇。 

Henri de Toulouse-Lautrec アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の
"Divan Japonais" 1892 『ディヴァン・ジャポネ』

その下はEdvard Munch エドヴァルド・ムンク(1863-1944)の絵画展のお知らせだった。
そういえばムンクってノルウェー出身だ。


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おとぎ話の挿絵のようだな・・・と見ていた絵。

ノルウェーの画家 Gerhard Munthe イェールハルド・ムンテ(1849-1929)の水彩画。
タイトルの"Helhesten" は、「死国の馬」とでも訳すのかしら。

Helhest は、デンマークの民間伝承の、死者の国に関連した3本の脚の黒いだそう。


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白い睡蓮のポスターが美しく。

Thorolf Holmboe (1866-1935)の"Norske klassikele"「ノルウェーのクラッシック」
トゥーロフ・ホルンボー? トゥーロルフ? 名前、なんて発音するんだろうな。

右にある(う)をモチーフにした花瓶も、このかたの作品。


で、意外な出会いだったのが・・・

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・・・日本の作品。 ここにもジャポニズムが。

解説には"Tresnitt av Hokusai Katsushika etter Fujimaro Kitagawa"とあり、
「喜多川藤麿を真似た、葛飾北斎による木版画」となっていた。 でも、版画には歌麿の名が・・・。

後でネットで調べてみたら、これは、喜多川歌麿(1753?-1806)の
「夏衣裳当世美人」シリーズの中の『越後屋』。 引札(広告チラシ)だそうな。


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ふきだしみたいなところに着物姿で番傘を差した。 真ん中の少年は筆でヒゲを書かれてる・・・。
左の女の子の着物は朝顔の模様だけど、遠目に見るとなんだかキノコみたいに。

調べてみたけど作品のタイトルは分からず。
これも歌麿とあるのに、北斎の作品と紹介されてた・・・しかも図録にまで。

歌麿かわいそうだ・・・。


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渡辺省亭(1852-1918)の花鳥図。 植物は、烏瓜かな。 何の鳥だろう。 ツグミかなぁ。


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手書きで1901年の日付が入ってたポストカード


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美しい・・・。

彫刻家Stephan Sinding ステファン・シンディング(1846-1922)の"Bergeuse"

・・・と解説プレートにあったが、"Berceuse"の間違いではなかろうか。
これなら「子守唄」となるのだけれど。

ステファン・シンディングは、ノルウェー生まれで、のちにデンマークの市民権も持ったよう。
パリで亡くなり、ペール・ラシェーズ墓地に眠ってるそうな。

この彫刻家の作品、実はデンマークで見ていた。 2013年に行ったコペンハーゲンで。 

人魚姫の像の近くのカステレット要塞の南にあるChurchillparken チャーチル公園
そこの"The Valkyrie" 「ワルキューレ」という青銅像がそれ。 ← クリックで関連の記事へ。


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お茶目なお皿。 こういうので食事すると、楽しいだろうなぁ。

Sardinboksfat Porsgrund Porselensfabrik とあったから、
ポルスグルン陶器工場で作った、イワシで箱状に四角く囲ったお皿・・・みたいな意味かしらね。

他にも、エミール・ガレの花瓶などもいろいろ展示してあった。


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左は、ノルウェーの彫刻家、デザイナー、
Valentin Kielland バレンティン・キエラン(1866-1944)作のキャビネット。

光の加減で分からないけど色はブルーだった。 しかもハニカムのような地模様で、彫るの根気いりそう。

右のも同じ人の作品なのかな・・・チェックするの忘れた・・・

他にも家具椅子がいろいろと。


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展示品だけじゃなく、部屋の壁紙も凝っててね。 

2階への階段上がって、すぐの部屋のホールにある壁紙

植物モチーフ。 こてこて。
に見えるけどそうではなく、金箔をきかせた皮っぽく仕上げてあるよう。


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シンプルな感じ。 
壁紙の紹介に「日本の織物を思わせる植物のモチーフ」とあったのは、このことかも。


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ちょっとラインを凝って飾ってみた、みたいな。


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ダイニングルーム。 当時の暮らしの様子が残されていた部屋は、ここくらいだった。

室内全体、テーブル、椅子、細々とした細部まで総合的に、建築家デザインしたものらしい。

ノルウェーの建築家Hagbarth Martin Schytte-Berg(1860-1944)によるもの。
名はハーグバルト・マルティン・シット=バルグ・・・って読むんだろうか。


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食器棚のガラスに映ったテーブル。


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港に煙を上げて停まる機関車。 向かいには灯台

計画ではラウマ鉄道(ラウマ線)オーレスンまで敷かれるはずだったみたい。

首都Oslo オスロから北上してる路線の中のDovre ドブレ線
その線の途中の駅Dombås ドンボスから枝分かれしてるのがRauma ラウマ線。 

終点は、Åndalsnes オンダルスネス。 オーレスンの街から100kmほどにある街。
現在もオーレスンには鉄道は通っていない。 


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今度は2階から見下ろした螺旋階段


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薬剤師さんの家の玄関の内扉。 その向こうに外扉があるよう。
寒い地だから、防寒対策でもあるんだろうな。


絵画のテーマにデンマークの民間伝承を用いたり、コペンハーゲンに作品があったり。
気になって歴史を調べてみたら、
ノルウェーは一時期デンマークの影響下(統治下)にあったようで、
デンマークコペハーゲンノルウェーの首都でもあったそうな。



規模はさほど大きくないけど、濃厚な展示で楽しめた^^。

ちなみに隣に建つKUBE美術館とは共通チケット。
地下でつながっていて、こちらは元・銀行だった四角い建物。 

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DON

昔の よれたガラスって良いよね~♪
楕円の螺旋階段って 初めて見た(^_^;)
by DON (2017-08-15 19:38) 

kabu

螺旋階段の曲線
なんとも 美しいですね~^^
外国で日本のものに出会うと嬉しくなりますよね(*´ω`*)
by kabu (2017-08-15 20:02) 

そら

ノルウエーの地で日本の作品に出会えるなんて嬉しいですね!!
海外の古い建物って石作りの中に暖かい木の温もりが上手く融合してて
落ち着きますねぇ、螺旋階段も不揃いのステンドグラスも素敵です(^^)
by そら (2017-08-15 21:46) 

snow

やっぱりガラスが好き
光の入り方 向こう側の景色
ガラスには惹きつける魅力がある
不揃い素敵 味が出るね(^^)/

by snow (2017-08-15 23:56) 

mitu

ステンドグラスが綺麗~♪
ポスター、広告チラシ、ラベル等の絵いいですね、好きだなぁ
ひげを描かれている男の子の絵、夢を見ているのが吹き出しになっていて楽しいです~♪
by mitu (2017-08-15 23:56) 

yokotee

螺旋階段いいですね
ジャポニズムほっとしますね
多少の不整合は目をつぶっちゃいますよね(^^♪
by yokotee (2017-08-16 00:13) 

(。・_・。)2k

北斎の方が海外では人気があるってことですかね?
勉強になります

by (。・_・。)2k (2017-08-16 00:16) 

yk2

ここで渡辺省亭の絵を見るとは思いませんでした。ほんと、「思わぬところで・・・」です(笑)。カラスウリのオレンジが省亭が私淑してた柴田背真の漆絵の色を思い出させるよう。省亭は起立工商会社の図案家の仕事もしてたから、ある意味、林忠正の同僚なんだよね。

ノルウェイのジャポニスム受容って、ユーゲントシュティルって云ってるくらいだからオーストリアやドイツからの間接的なものなのかな、って思えちゃうけど、こうしてユーゲントシュティルを標榜する美術館に浮世絵の展示があると云う事は、ある程度は19世紀末頃のこの国にも歌麿や北斎からのストレートな影響が有ったんだろうなぁ~って考えられますよね。日本から遙か遙か遠くの北欧の国なのにね。
by yk2 (2017-08-16 01:28) 

みち

歪んだ硝子って趣があって良いですよね。
博物館で間違えていることってあるんですね!
正解を教えてあげたらお手柄になったかも?
木製の螺旋階段、恰好良いですね~。
by みち (2017-08-16 01:54) 

よしころん

昔のガラスってなんとも味わいがありますよね^^
不純物が多い故の味なのかなぁ。
by よしころん (2017-08-16 07:40) 

oko

最初のガラス良いですね〜
温かみがある気がします♪
とってもお茶目な形のお皿・・・
これ作った人凄いなぁと思いました♪
by oko (2017-08-16 12:00) 

めぎ

あらあら、歌麿が…北斎が有名だから、強引に北斎ってことにしちゃったのかな…不思議ですね。
歌麿研究家にしたら、知られていなかった一枚がここで発見!ということかも。お宝発見したみたいですね!
by めぎ (2017-08-16 15:23) 

miffy

螺旋階段、素敵ですね~
浮世絵は日本国内よりも海外での方が人気もあるし評価されてますよね。
画像検索したら北斎だと出ました。
北斎の人物画に似てないとは言えませんが歌麿のサインがあるのにな~
by miffy (2017-08-16 15:34) 

うっかりくま

ステファン・シンディングの慈愛溢れる彫刻、
素敵です!ワルキューレも拝見しました。
もっと他の作品も見たくて検索してみましたが
見つからず・・良いものを教えて頂きました。
アール・ヌーヴォーの博物館だけあって螺旋
階段のうねり具合も独特ですね(@o@)。

by うっかりくま (2017-08-16 21:48) 

テリー

不揃いのステンドグラスに、楕円のらせん階段、面白いですね。
by テリー (2017-08-16 22:47) 

TaekoLovesParis

つい最近、私のコメント欄でyk2さんから「渡辺省亭」の名前をきいたばかりなのに、ここで省亭の絵に会えるとは、まさに「思わぬところで」。。
しかもyk2さんがご自分のコメント欄で、inatimyさん紹介の日本の版画サイトのリンクを載せてました。
歌麿の三井のマークの三越の広告、すっきりして粋な感じですてき。浮世絵=北斎っていう認識なのね。
ステファン・シンディングの彫刻、シルエットが美しいですねー。足に浮揚感があるので、天にのぼっていくような神々しさを感じます。
ワルキューレは北欧の神話だったのね、ワーグナーのオペラ「ワルキューレ」はここからとったのね、ってわかりました。
by TaekoLovesParis (2017-08-17 00:33) 

アールグレイ

モダンな模様のガラス。
それだけで存在感ありますね。
薬剤師さんのお宅、素敵な芸術にあふれているのですね。
ジャポニズム、外国で愛された日本の浮世絵など
またその地で見ると、新鮮でしょうね^^

by アールグレイ (2017-08-17 20:04) 

engrid

波打つガラス、いいですよね
綺麗だけでない、ガラス細工の作品も魅力的
シンプル壁紙、いいなぁ〜〜
とても魅力的な展示物と絵とか、いいな
浮世絵、ここにもな感じ、展示がやや曖昧で残念でも、誇らしい気持ちになりますね
by engrid (2017-08-18 00:40) 

coco030705

こんにちは。
最初のステンドグラス、素朴でいいですね。こんなのだったら家にあっても仰々しくなくていいな。
浮世絵の作者違い、ほんとかわいそうです。漢字が読めないからでしょうけど、美術館だからちょっと問題かも。「子守唄」のプレート、すごくきれい。でもこれも綴り違いなんですね。(笑)
静かなところでゆったり、のんびりできていいですね。


by coco030705 (2017-08-20 12:09) 

Inatimy

→皆さま「思わぬところで・・・」のお話にnice!やコメントをありがとうございました。日本では友達に誘われていった国芳展くらいで、私が見た浮世絵など日本の版画の多くは海外で見たものという妙な感じに^^;。ノルウェーでも見ることができたなんてビックリでした。

→DONさま
びろろんとよれた感じが、ストレートに物事を見せない、別の世界へと導いてくれますよね^^。楕円の螺旋階段、これ作るの大変そう・・・曲線の具合がよくぴったりと合いますよね・・・。

→kabuさま
楕円の螺旋階段、木製ってところがまた魅力的で。職人さんの技ですよね、見事な曲線^^。根気強さと性格が出そう・・・・。

→そらさま
古さの中に当時の技術の最高のものが詰まってますよね^^。何もないところから作り出すパワーがいいなぁ。曲線って心も滑らかにしますよね〜。

→snowさま
硬いのに透明感がある物質ってところが私には不思議^^。歪み具合が、内側が丸見えになっちゃうのも防いでくれるから便利でもありますよね。

→mituさま
座ったままうたた寝してるところ、いたずら書きされてますよね^^。こんな漫画っぽい作品が昔にもあったなんてねぇ。ポスター、広告チラシ、ラベル・・・当時の流行なんかも伺えて楽しめました〜。

→yokoteeさま
螺旋階段、途中で踊り場がない分、なだらかなステップで上の階へ^^。楕円の渦巻きも可愛いです。ある程度の精密さがあれば多少の不整合は手作りの味わい、ぬくもりですよね〜。うん、うん、と編み物しつつ、思い出す言葉です^^;。

→(。・_・。)2kさま
浮世絵=北斎になっちゃってるんでしょうねぇ・・・ゴッホが模写したのは歌川広重だし、他の人も知名度がありそうなのになぁ^^;。

→yk2さま
渡辺省亭の展覧会見逃されたんでしたっけね^^;。私もあれ?でした。浮世絵は見ることが多いけど、その後の年代の日本画って珍しく^^。烏瓜のオレンジ色が効いたシンプルだけど魅力的。左がわの余白も心地よく。とりあえず解説プレートも撮って、後で調べて渡辺省亭という日本画家だと知ったという。ノルウェー語でタイトルが”slangevakten”となっていたものの、さっぱりそれが何の意味かわからずじまい・・・。ユーゲントシュティール(アールヌーヴォー)という用語、このミュージアムの解説によると、ノルウェーでは時折ジャポニズムはそれらと同意語として使われたりもするようです。なんかすごい影響ですよね^^。

→みちさま
博物館での間違い、たまに見かけますよ、綴りが多いですが、作者を間違ってるのははじめてでした^^;。でも後からじっくり調べたからその場では言えず・・・。しかも私が言っても専門家じゃないから説得力に欠けるだろうなぁ・・・・。

→よしころんさま
今のガラスって歪みもない均一の厚みの正確さで、すごいけど、家の窓には歪みのあるガラスの方が目隠しにもなっていいのではと私は思いますね^^;。

→okoさま
よかった〜お皿に共感してくれる方がいて^^。私の中ではかなりのお気に入り作品だったもので。発想がすごいですよね♪

→めぎさま
ちゃんと調べたのかしらねぇ・・・歌麿って作品にあるのに^^;。海外で北斎は有名だけど、その陰に隠れちゃうのはかわいそうですよね。本当、お宝かもしれないのに〜。

→miffyさま
画像検索、私もしましたよ^^。北斎だと出るのは、ソースがこのミュージアムだからでしょうね。ちゃんと作品の中に歌麿のサインもあるのに・・・。これってミュージアムに言うべきなのか、迷いますねぇ。

→うっかりくまさま
日本では知名度がなくてもいい作品を残している芸術家さんってたくさんいますよね^^。いいなぁと思ったら可能なところは撮って残してるんですが、後で別の場所で見てたりと、意外な繋がりが判明したりと面白いです。アールヌーヴォーの建物、曲線が取り入れられて、それだけでも優雅な感じ♪

→テリーさま
建物も展示も楽しめるお得感たっぷりなミュージアムでした^^。

→TaekoLovesParisさま
渡辺省亭、ソール・ライターの記事のコメントでしたね。yk2さんが展覧会見逃されたという。私も自分の手元に作品の写真があってびっくりでした。三越・・・なるほど、三井と越後屋で・・・なんですね^^。私が気になったのは、団扇の上に置かれたミニ行灯みたいなの。可愛いサイズ♪ 浮世絵=北斎は悲しい図式ですよねぇ・・・ゴッホが模写した広重だっているのになぁ。ステファン・シンディングの作品、意外なところで見てて、繋がり。ワルキューレの人だったとは^^;。旅先で出会ったものが、後から広がりを見せていくの、楽しいです♪

→アールグレイさま
薬剤師さんの家、家の作りがゴージャスでした^^。玄関ホールにストーブもあったり。窓のステンドグラスを通して入る色の光がまた綺麗で。海外で日本の作品を見るというのも不思議な感じです♪ 私よりもはるか昔にこの地にやってきてるんですもんね。

→engridさま
建築家の好みとかその当時の流行や技術の高さとか、いろんなことを知ることができるミュージアムでした。部屋ごとに変わる壁紙も見ごたえアリで。昔の日本の作品が海外のミュージアムで大事に保管されているのを見ると嬉しくなりますね〜^^。

→coco030705さま
解説プレートに間違いがいろいろ。でも、漢字だったり、英語だったり、フランス語だったり・・・ノルウェー人も、どこの国の人も、同じように言葉に困ってるんだな、と私としては親近感^^。
by Inatimy (2017-08-22 19:31) 

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